65歳以上のご家族を お持ちの方へ
このような肺炎のリスクにご注意ください
肺炎は命に関わる病気ですが、年齢や、生活習慣、お持ちの病気によって肺炎のリスクが高くなることが知られています。
大切なご家族が肺炎にならないよう、ぜひ、気にかけてください。
あなたのご家族は、
65歳以上ですか?
肺炎で亡くなる日本人*の97.9%が65歳以上(2021年)です。
*新型コロナウイルス感染症による死亡者は含まれません
65歳はまだまだ元気な方が多いですが、健康への過信は禁物です。
元気だと思っていても、
65-69歳が肺炎で死亡する割合は、60-64歳に比べ、
約2倍高い
日常生活が制限されることなく過ごせる期間を健康寿命といいますが、男性の健康寿命は約73歳、女性は約75歳です。65歳の男性の場合、健康寿命まであと約8年。ご家族の方ができるだけ元気に過ごし、健康寿命を延ばせるよう、今から生活習慣に気をつけるだけではなく、肺炎予防も心がけましょう。
健康寿命と平均寿命
厚生労働省. 健康日本21(第三次)推進のための説明資料(令和5年5月)より作成
70歳以上ですか?
年をとるとともに身体の機能は衰え、病気に対する抵抗力も低下します。
肺炎による死亡者も年をとる程、大きく増加することが分かっています。年齢は肺炎の重大なリスクの一つなのです。
肺炎の死亡者は・・・
60-64歳に比べ、
70-74歳では約5倍多い / 75-79歳では約9倍多い
厚生労働省. 人口動態統計(確定数)2021年より作成
高齢者(65歳以上)の肺炎は発熱、咳といった典型的な症状ではなく、元気がない、食欲がないといった様子しかあらわれないことがあります。そのため肺炎と気づかないうちに重症化する危険性がありますので、ご家族が早めに気づき、お医者さんに相談することが大切です。
喫煙歴はありますか?
喫煙は様々な病気に関係していることが知られていますが、肺炎の発症リスクも上昇させることが分かっています。
喫煙歴がある人では、喫煙歴がない人に比べ、2.0倍*も肺炎の発症リスクが高くなります。禁煙後すぐに効果があらわれるわけではありませんが、5年間禁煙を続けると、そのリスクの上昇度が約50%*低下するという報告がありますので、今からでも禁煙することが大切です。喫煙は重大な肺炎のリスクになるため、喫煙歴のある人は特に肺炎予防が大切です。
*オッズ比
Almirall J, et al. Chest 1999; 116(2): 375-379.
喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など呼吸器に持病はありますか?
呼吸器の持病も肺炎のリスクです。
肺炎の発症リスクは、健康な高齢者*と比べて、喘息のある高齢者*では3.2倍、慢性肺疾患のある高齢者*では3.6倍に上昇するという報告があります。
高齢で、呼吸器に持病のある方は肺炎に十分な注意が必要です。
*60歳以上
Pelton, et al. BMC Infect Dis. 2015; 15:470.
心不全や狭心症など心臓に持病はありますか?
心不全や狭心症など心臓の病気も肺炎のリスクです。
健康な高齢者*と比べて、心臓に持病のある高齢者*では肺炎の発症リスクが3.1倍に上昇するという報告があります。
高齢で、心臓に持病のある方は肺炎に十分な注意が必要です。
*60歳以上
Pelton, et al. BMC Infect Dis. 2015; 15:470.
糖尿病の持病はありますか?
糖尿病も肺炎のリスクです。健康な高齢者*と比べて、糖尿病のある高齢者*では肺炎の発症リスクが2.6倍に上昇するという報告があります。
高齢で、糖尿病のある方は肺炎に十分な注意が必要です。
*60歳以上
Pelton, et al. BMC Infect Dis. 2015; 15:470.
お一人でお住まいですか?
65歳以上で一人暮らしをしている世帯は28.8%という報告があります。
そして、65歳以上で何かの体調不良を自覚している人は43.4%になります。
高齢になると免疫力が落ち、肺炎になると急激に症状が進むことがありますので、一人でお住まいの方には、特に周りの方が体調を気にかける必要があります。
厚生労働省. 2019年 国民生活基礎調査の概況
大切な人を肺炎から守るために、ご家族が今できること
高齢者(65歳以上)が肺炎を防ぐ方法として、からだの免疫力を高めること、日々の感染予防の実践、「成人用肺炎球菌ワクチン」や「インフルエンザワクチン」、「新型コロナワクチン」の予防接種があります。
ご高齢のご家族が肺炎にならないように、その予防方法を知って下さい。
大切なのは、原因となる細菌やウイルスが、からだに入り込まないようにすること。そのために、予防の一環として、心がけてほしいことがあります。
監修ドクターからの メッセージ
肺炎は、ご本人にとってつらいものですが、ご家族の方にとっても、心配事であるとともに、入院時のサポートや介護などのご負担もかかります。
65歳を過ぎ、高齢になればなるほど肺炎にかかったり、亡くなったりするリスクが高くなります。今は元気そうに見えても、年齢とともに、若い頃より抵抗力(免疫力)は確実に低下しているのです。
特に高齢者(65歳以上)の肺炎は典型的な症状が出ないことがあり、ご家族や周りの方がわずかな体調の変化を見逃さないことが大切です。
ぜひ、日頃から肺炎予防について、皆さまで話し合ってください。
うがい・手洗い・マスクの着用、口腔ケア、予防接種といった肺炎予防をはじめること、そして予防はつづけてこそ意味があること。入院や通院をすることなく元気で暮らせるよう、ご家族やご親族の方が気にかけていただきますことをお願いいたします。
合言葉は、はじめよう、つづけよう肺炎予防です。
地方独立行政法人 長崎市立病院機構 理事長 / 長崎みなとメディカルセンター 院長
門田淳一
肺炎予防に関して、是非、ご家族と話してください
みなさまがご家族と、肺炎とその予防についてコミュニケーションできるように、リーフレット「肺炎予防のために知っておきたいこと」をご用意しました。また、SNSボタンからこのサイトを共有できます。
ご家族を肺炎から守るために、是非、肺炎予防について情報を共有し、話し合ってみてください。
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監修
地方独立行政法人 長崎市立病院機構 理事長/長崎みなとメディカルセンター 院長
門田淳一先生
この啓発活動はMSD株式会社が行なっております。
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